労働問題に強い弁護士の探し方:労働者のための6つの重要ポイント
勤め先の企業との間で労働問題が生じたとき、労働者自身が権利を主張して望み通りの結果を得るのは簡単なことではありません。弁護士に相談・依頼して対処していきましょう。
しかし、同じ「弁護士」という専門家でも能力は個々に異なります。労働問題に困っているのなら労働問題に強い弁護士を探さなくてはなりません。そのために知っておきたい大事なポイントをここで解説します。
「誰でも同じ」ではない
「どの弁護士に頼んでも同じような対応をしてくれるだろう。」「同じ結果になるだろう。」などと考える方もいますが、実際にはそうではありません。
弁護士によって専門性・経験・アプローチ方法が大きく異なります。特に労働問題は、法律の専門知識だけでなく労働環境や企業文化への深い理解が必要とされる分野です。労働法は頻繁に改正されるという特徴もあるため、最新の法改正や判例に精通していることも重要です。
さらに、労働問題は個人の生活やキャリアに直結する繊細な問題であり、目の前の問題解決だけでなく、依頼者の将来を見据えた総合的なアドバイスが求められます。そのため、専門性の高さだけでなく依頼者の立場に立って親身に対応できる姿勢も大事な要素となるのです。
ある弁護士は交渉による解決を得意とし、別の弁護士は訴訟での解決に強みを持っている、ということもあるでしょう。また、特定の業界や職種に関する労働問題に詳しい弁護士もいれば幅広い労働問題に対応できる弁護士もいます。
そのため「どの弁護士でも同じ。」とは考えず、ご自身の状況や希望する解決方法に合った弁護士を慎重に選ぶことが、労働問題の適切な解決につながる第一歩となるでしょう。
労働問題に強い弁護士を探すポイント
弁護士を探すときは以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
- 専門性の高さ
- 口コミや評判
- 利便性の高さ
- 対面で対応力
以下ではこれら各ポイントについて詳しく見ていきます。
専門性の高さを確認
労働問題についての専門性の高さは問題解決のためにもっとも重要ともいえる要素です。確認の際は次の点に注目しましょう。
弁護士の取り扱い実績 | 多くの労働問題を扱ってきた実績のある弁護士なら臨機応変にさまざまなケースに対応できる可能性が高く、効果的な戦略を立てることができる。 法律事務所のWebサイトや弁護士検索サイトなどを使って過去の実績や解決事例をチェック。具体的な事例数などの数字が明記されていればより客観的な評価が可能。 |
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弁護士のプロフィールや執筆した記事、登壇実績など | プロフィール、弁護士自身が作成したWebサイト上の記事、セミナーなどへの登壇実績などが掲載されていれば、そこからどの程度労働問題に精通しているのかが判断しやすい。 |
労働問題専門の団体への所属 | 日本労働弁護団など、労働問題に特化した団体に所属している場合はその分野に注力している可能性が高い。 ただし、労働問題を強みとしていても所属していないケースはあるため、所属の有無だけで判断するべきではない。あくまで一要素としてその他の要素も考慮のうえ総合的に評価することが重要。 |
専門性の高さに加え、後述するポイントも合わせてチェックし、弁護士の選定を進めていきましょう。
口コミや評判の確認
実際に弁護士に依頼をした方による口コミ、ほかの専門家からの評価なども参考になります。
そこでまず、インターネット上の弁護士検索サイトや口コミサイトでの評判を確認してみましょう。特に労働問題での対応に関する具体的な評価があれば、その弁護士の専門性や対応力を判断する材料となります。
ただし、インターネット上の情報には偏りがある可能性もあるので、複数の情報源を参照することが大切です。
次に、ほかの専門家からの評価を知るため、弁護士会や労働問題に関する専門団体からの評価や推薦、表彰歴なども調べてみましょう。弁護士の信頼性を判断するうえで参考になります。第三者の立場にある専門家から高い評価を受けている弁護士であれば、その分野で認められた実力を持っているとも考えられるでしょう。
専門家でなくとも、信頼できる友人・知人からの紹介や推薦も良い弁護士を見つける方法の1つです。実際に関係性がある人の経験談を聞くことで、より具体的で信頼性の高い情報を得ることができます。
利便性の高さを確認
専門性の高さや評判の良さに加えて、「利便性の高さ」も重要な選択基準となります。
現在の仕事を続けながらサポートを求めるケースも少なくありません。そんなときは、法律事務所へのアクセスがしやすい、あるいは柔軟な対応を取ってくれる弁護士を選ぶことが大切です。
まず、働きながらでも相談・対応しやすい体制が整っているかを確認しましょう。特に、日々忙しく働いており日中に事務所に行けない方の場合、平日の夜や土曜日・日曜日の対応が可能かどうかもポイントになります。
また、オンライン対応の有無も確認しましょう。遠方に住んでいる場合や、時間的制約がある場合は、ZoomやTeams、その他オンライン会議システムを使用しているかどうかも聞いてみると良いです。
労働問題は長期化することも多いため、継続的に相談しやすい環境を選ぶことが大切です。
対面で対応力を確認
労働問題に強い弁護士を選定するときは、インターネット上で調べたり人づてに情報を聞いたりするだけでなく、実際に対面で弁護士と話をしてみることが大事です。
多くの弁護士は初回相談を無料で行っているので、この機会を活用して直接会って話をすることをおすすめします。対面することで弁護士の人間性や相性を判断しやすくなります。
このとき、以下の点を意識しておくと良いでしょう。
- コミュニケーション能力が高いか
- 説明はわかりやすい?
- 専門用語を多用していないか?
- 質問に対して的確な回答が得られるか?
- 人としての相性の良さ
- 話しにくくはないか?
- 価値観が大きく乖離していないか?
- 「信頼できる」と感じたか?
- 親身な対応
- 依頼主の状況を理解しようとしている?
- 個別の事情への配慮をしてくれる?
- 問題解決へのアプローチ
- 依頼主の意向に合わせて柔軟な解決策を提案してくれる?
- 解決した後のことまで踏まえた長期的な視点から助言がある?
対面での相談時には自分の状況を詳しく説明し、弁護士がどのように対応するかを観察しましょう。
その他チェックすべきポイント
これまで述べてきたポイントに加えて、以下の点もチェックすることをおすすめします。これらは労働問題に限らず、弁護士選びの際に一般的に重要とされるポイントです。
一般的なチェックポイントとその詳細 | |
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費用体系 | ・初回相談料 ・着手金 ・報酬金(成功報酬) ・分割払いへの対応 ・追加費用の有無と発生条件 |
経験年数 | ・弁護士としての経験年数 ・労働問題に関する経験年数 |
事務所の規模と体制 | ・個人事務所か法人か ・所属弁護士の人数や弁護士以外のスタッフの人数 |
守秘義務の徹底 | ・個人情報保護の方針 ・セキュリティ対策 |
他士業との連携 | ・社会保険労務士との連携 ・税理士との連携(必要に応じて) |
これらも併せて確認しておくことで、より総合的に弁護士の適性を判断することができます。特に費用に関しては初回相談時にしっかりと確認しておき、不明点はその場で質問して解決しておきましょう。
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谷 次郎Jiro Tani
個人の法律問題から専門的な事件まで、豊富な経験を活かしてご相談者様のお悩みを親身に伺います。問題が悪化してから来られるよりも、早めのご相談が、時間もコストもかからずに解決するケースがほとんどです。
- 所属団体
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- 経歴
- 2012年 弁護士登録
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