【弁護士が解説】公務災害認定がされない場合の対処法
公務災害とは、公務員が公務中や通勤中に発生した怪我や病気のことをいいます。
公務災害に認定された場合、公務員災害補償制度によって、その災害によって生じた損害が補償されることになります。
しかし、全ての事案が認定されるわけではなく、申請が却下されることもあります。
今回は、公務災害が認定されない場合の対処法についてわかりやすく説明します。
公務災害の具体的事例
公務災害に当たる事例と当たらない事例は以下の通りです。
公務災害に当たる事例
まず、以下が公務災害に当たる事例です。
- 給食調理員が調理作業中に包丁で指を負傷した。
- 所属長の実施した柔道訓練に参加した警察官が、対戦相手に投げられて負傷した。
- ごみ収集作業中に収集車から飛び出した木片が頭に当たり負傷した。
公務災害に当たらない事例
以下のような事例では、公務災害に当たらないとされています。
- 上司の引っ越しの手伝いを行っていたときに負傷した。
- 武道訓練のため、職員が自発的、個別的に行った練習中に負傷した。
認定されない理由
公務災害が認定されない主な理由には、以下のようなものがあります。
- 職務との因果関係が不明確
- 証拠不十分申請手続きの不備
認定されなかった場合の対処法
では、公務災害が認定されなかった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
具体的な対処法を紹介します。
申請内容の再確認と修正
まず、申請内容を再確認し必要に応じて修正することが重要です。
具体的には、以下の点をチェックし、修正しましょう。
- 証拠の再提出
- 医師の意見書の追加
- 申請書類の修正
上級機関への再申請
申請が却下された場合上級機関への再申請を検討しましょう。
上級機関への再申請により、再審査が行われる可能性があります。
労働組合や専門家への相談
労働組合や専門家に相談することで適切なアドバイスを受けることができます。
労働組合は労働者の権利を守るために活動しており、無料で相談を受け付けていることが多いので、困っているのであれば一度相談に乗ることをおすすめします。
また、法の専門家である弁護士に相談することにより、実情に応じた措置を講ずることができる可能性が高まります。
まとめ
公務災害が認定されなかった場合でも、適切な対処法を実行することで認定される可能性があります。
そのため証拠の収集や専門家への相談などを通じて、自分の権利を守るための行動を起こすことが重要です。
また、弁護士に相談することで、法的な視点からのアドバイスを受けることができ、状況に応じた措置を取ることができる可能性が高まります。
公務災害が認定されなかった場合は速やかに弁護士に相談することをおすすめします。
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谷 次郎Jiro Tani
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- 経歴
- 2012年 弁護士登録
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