【弁護士が解説】行政処分の不服申し立てを行う方法とは
ニュースや新聞などで「業務改善命令」という言葉を耳にしたり、車を運転される方であれば「運転免許の取消」、また事業を行っている方であれば「営業許可」を取るという場面に直面することがあるかと思います。
これらは行政処分といい、国、都道府県知事、地方自治体といった行政機関が法律に則って、強制力を伴って行うものです。
しかし、その行政処分に不服があった場合でも、従わなければならないのかというとそうではありません。
そこで、このページでは、行政処分に不服があった場合の申し立て方法についてご紹介します。
不服申し立て方法は「審査請求」が基本
業務改善命令を受けたり、営業の許可を却下されたりといった行政処分を受け、その内容に不服がある場合は、行政不服審査法という法律に基づいて、審査請求を行うことが可能です。
「行政処分の内容に不服があるので、裁判をしたい」と考える方も多いかと思いますが、行政処分を行う根拠となる法律の中で、行政処分の取消しの訴え(取消訴訟)を起こすためには審査請求をすることが必要とされている場合があります。
行政処分の内容に不服がある場合に用いる法律にはもう一つ、行政事件訴訟法というものがあり、原則いきなり取消訴訟を起こすことができる旨記載されています。
ただし、個別の法律で審査請求についての裁決を経た後でなければならないと定められていた場合は、その法律に従うよう決められています。
また、個別の法律で再調査の請求をすることができることが記載されている場合には、審査請求を行う前に限り、再調査という形で不服申し立てを行うことも可能です。
そのため、審査請求が基本の不服申し立て方法であるということになります。
審査請求の進め方
行政処分の内容に不服があった場合、個別の法律で決められていなければ、行政処分を行った行政機関(処分庁)の最上級行政庁(大臣、都道府県知事、市町村長)に対して審査請求を行います。
たとえば、飲食店であれば、営業許可は保健所長等が行います。
この「保健所長等」が処分庁で、処分庁が出した営業許可について不服があるということであれば、保健所を置いている都道府県知事が最上級行政庁となり、都道府県知事に審査請求をすることになります。
審査請求をするにあたっては、原則として審査請求書という書類を提出しなければなりません。
審査請求書には、必ず記載しなければならない項目が羅列されており、これに不備があった場合は補正を命じられ、補正がなければ、請求内容を確認することなく却下となってしまいます。
審査請求書が受理された後、審査請求を受けた行政庁(審査庁。前述の例であれば、都道府県知事)が、審査請求がされた処分に関与していない等の条件を満たした職員を審理員として指名し、審理を行います。
審理は、基本的には書面でのやりとりで進んでいき、申立てがある場合には口頭で意見を述べたり、質問したりすることが可能です。
審理終了後、審理員は審査庁に審理員意見書を提出し、審査庁から裁決がなされ、審査請求は完了となります。
行政訴訟は弁護士 谷 次郎(冠木克彦法律事務所)にご相談ください
今回は行政処分の不服申し立て方法についてご紹介しました。
審査請求は多くの書類を作成することとなり、体裁が決められているのもがほとんどです。
行政処分に不服がある場合は、専門家に相談をし、意向を伝えた上で対応してもらうと良いでしょう。
お困りの方は、弁護士 谷 次郎(冠木克彦法律事務所)までお気軽にお問い合わせください。
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谷 次郎Jiro Tani
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- 所属団体
- 大阪労働者弁護団
- 経歴
- 2012年 弁護士登録
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- 事務所名
- 冠木克彦法律事務所
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