誹謗中傷は民事と刑事の両方で責任を問える?被害者が知っておくべき対処法
SNS、ネットを誰しも毎日使うようになり、その分誹謗中傷の被害も多く発生しています。対処法がわからず耐えている方もいるのではないでしょうか。
法的な対処法がありますので、加害者にどう責任追及していけるのか、ご確認ください。
民事責任と刑事責任どちらも追及できる
誹謗中傷への対応として、民事上の損害賠償請求と刑事上の告訴があります。これらは別々の仕組みで、どちらか一方だけを選ぶこともできますし、両方を並行して進めることも可能です。
誹謗中傷に対する民事上の責任追及とは
民事上の対応とは具体的に、「誹謗中傷によって受けた精神的苦痛等について、金銭による賠償を求めること」をいいます。
誹謗中傷の場合は慰謝料の請求が中心となり、どの程度の苦痛を受けたのかを法的に評価して相応の金額を支払うよう求めることになります。
相手と直接交渉する「示談」により解決する方法もありますが、相手が支払いを拒否したり連絡を無視したりする場合は、「民事訴訟」を起こすこともあります。訴訟には時間と費用がかかりますが、判決が出れば強制執行により回収することもできます。
誹謗中傷に対する刑事上の責任追及とは
刑事上の対応とは具体的に、「加害者を処罰してもらうよう求めること」をいいます。
警察に被害届や告訴状を提出し、捜査の結果、検察官が起訴すれば刑事裁判となり、有罪になれば罰金や拘禁刑(旧懲役刑)などの刑罰が科されます。加害者に心理的プレッシャーを与え、再発防止や謝罪をしてもらう効果などが期待できます。
ただし、刑事罰による罰金は国に納められるため被害者への賠償は一切行われません。金銭的な補償を得たい場合は、別途民事請求が必要です。
誹謗中傷で問える犯罪の種類
誹謗中傷は、内容次第で成立する罪の種類が変わってきます。
代表的なものとしては、「名誉毀損罪」が挙げられます。
これは、不特定多数が見られる場所で具体的な事実を挙げて他人の評判を落とす行為に対して成立します。法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑です。
※誹謗中傷の内容が本当かどうかは関係ない。事実であっても名誉毀損罪は成立するが、例外的に、公共の利害に関する真実を公益目的で述べた場合には処罰されない。
名誉毀損罪以外にも、「侮辱罪」が成立するケースがあります。
これは、具体的な事実を書かなくても不特定多数が見られる場所で他人を侮辱する行為に対して成立します。人格を否定する暴言などで成立する可能性があります。法定刑は1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金刑、または拘留・科料となっています。
その他可能性がある犯罪としては、脅迫罪や信用毀損罪、業務妨害罪なども挙げられます。
※「殺す」「家に火をつける」など危害を加えると予告する書き込みなら脅迫罪、嘘の情報で信用を傷つける行為に対しては信用毀損罪、虚偽情報で業務を妨害する場合は業務妨害罪が成立し得る。
被害者が取るべき対応とは
誹謗中傷被害を受けて加害者への責任追及を考えている方の取るべき対応としては、「加害者の特定」「早めに対応すること」「証拠を残しておくこと」が挙げられます。これらを意識して対処していきましょう。
法的措置に向けて加害者を特定
法的措置をとるには、誹謗中傷をしてきた加害者を特定することが大事です。特に民事上の責任追及として損害賠償請求を行うのであれば、相手方の情報が不可欠です。
ただ、ネット上で行われる誹謗中傷だと相手が誰なのか分からないことがほとんどでしょう。そこで発信者情報開示請求(一般に「開示請求」とも呼ばれる)という法的手続きを使って加害者を特定する必要があります。
開示請求は法律に基づく権利で、ネット上で誹謗中傷を行った発信者の情報(氏名や住所、登録された電話番号など)について、プロバイダに開示してもらうよう求める仕組みを指します。
近年この仕組みに関して法改正が行われ、以前より利用しやすくなっています。具体的には、複数回の裁判を要していた手順が、新制度では1回の手続きで加害者を特定できるようになったのです。この新たな仕組みを活用して特定作業に取り掛かります。
証拠の確保と手続きは早めに
発信者情報は永久に残るものではありません。ログが削除されてしまうとその後加害者を特定するのが困難になってしまうため、早めに手続きにとりかかることが大切です。
また、誹謗中傷があったという事実を証拠として残すことも重要です。ネット上での投稿が原因であれば、そのスクリーンショットを撮る(日時とURLがわかるように)などして証拠を確保しましょう。複数の投稿がある場合はすべて保存することをおすすめします。
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谷 次郎Jiro Tani
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